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ここ最近、世界中からフェルメールの作品が来日してきますので、
なんともうれしい限りです。やはり、かなり来場者があるから
貸出しも多くなっているのでしょうか。

今回は、渋谷の東急文化村にありますBunkramuraザ・ミュージアムの「フェルメールからのラブレター展」です。

 

ここのところ、次々にフェルメールの作品が来日してくれるので、
いろいろと有りがたいですね。今回来日している1点は
アイルランドの美術館が持っているものなので、なかなか
旅行で見に行くことが難しいところ、東京・渋谷の
Bunkamuraで見られるとは思いもよらない幸運でした。


意外に深い「手紙」というコンセプト

さて、今回の見所といえば何と言っても
手紙をモチーフにしたフェルメール作品3点なのですが、
その「手紙」というコンセプトから、文字通り「手紙」のテーマだけでなく
「17世紀オランダ美術におけるコミュニケーションのあり方」というコンセプトで全体をまとめているところに好感が持てました。

今までの「フェルメール作品と、同時代の作品を持ってきただけ」
という印象の展覧会が多かったところですが、この見せ方は
いいですね。

当時の美術品が、いわば教訓や「あるべき姿」を伝えるという
コミュニケーションツールであったという側面を、うまく
フェルメールの作品の「手紙」まで繋げておりました。


鮮やかに蘇ったフェルメール

特に、今回来日したアムステルダム国立博物館の
「手紙を読む青衣の女」は、修復済みということで、
色鮮やかさがまるっきり違います。
図版等で想像していたよりも、非常にクリアで細部の
色彩が輝いて見えました。

ワシントンギャラリーの「手紙を書く女」は、
手紙を書いている女性の存在感がはんぱじゃないです。
照明を少し落としているので、ちょっと双眼鏡が
ほしいところですね。

でも、フェルメールの深さを味わえる、良い作品です。
(この作品は、昔、ワシントンDCで見た記憶がありました)

若干、松井冬子さんの日本画を思い起こさせましたけど、
彼女もこうした作品の影響を受けていたのでしょうか。


アイルランドナショナル・ギャラリー所蔵の
「手紙を書く女と召使い」を生で見られたのは、
僥倖としか言えませんでした。アイルランドまで
行く機会などそうそうないと思いますので。

ただ、個人的には前の2作のインパクトの強さが
際立って感じられたので、いまひとつ、という印象でした。

手紙という切なさ

当展覧会では、当時の手紙の時代背景もしっかり紹介されております。
このあたりの事情は、展覧会の特集サイトに、しっかりと紹介されていますので、
ご参照ください。かなり作りこまれた、綺麗なサイトです。

現在ではメールで一瞬に送られるメッセージですが、
当時は海の果てまで届けるのに年単位の
日数がかかりますし、ましてや無事に届くかどうか分からない、
相手が何をやっているのか、もしかしたら
もう死んでいるかもしれないという書く方も読む方も
思いの込められたものでした。
「手紙を読む青衣の女」の後ろに、鮮やかに蘇った
世界地図を見ながら、当時の「手紙」の持つ意味に思いを馳せる・・・

いやあ、なかなかに「フェルメールからのラブレター展」という
良いネーミングに負けない、かなり素晴らしい展覧会でした。



総合評価 ★★★★★(5/5)

会場の作品配置も余裕を持たせているので、
フェルメール作品を思う存分、穴が開くくらい
見ることができます。オペラグラス的な拡大して見るための
グラスを用意して、隅の隅までしっかりじっくり
味わいたいものです。

また、それ以外の作品も、添え物としては
そこそこ見応えがあると思います。
漠然と同じ時代の作家を配置している感じが
なく、テーマに関連させていますので退屈ではありません。
特に、当時の庶民の姿を活写した「ヤン・ステーン」の
作品には注目。静謐なフェルメールと対比して、
その当時の空気感を感じるには、もってこいでしょう。

これは、間違いなく「鉄板」だと思いますね。

ただ、見学者が多いとその限りではないので、
やはり早い時間や夕方~夜開館を狙って行くのが
よろしいかと。


2012年3月14日まで









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デザインやモバイルガジェットと読書が好き。特にテーマを絞らず、色々と書いてみようかと思っております。
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