せっかく前エントリーで「アバウト・シュミット」という映画の紹介をしたので、その元ネタであろうと思われる、投資家のウォーレン・バフェット氏のことを取り上げます。
そこで、日経ビジネス人文庫で出ております、「最強の投資家バフェット」です。(前記事でも紹介しました)
50年で資産を3万倍にまで増やした、最強の投資家バフェット氏は、世界第二位の富豪ですが、買っている株はディズニーやコカ・コーラ、ジレット、ワシントン・ポストなど、誰でも知っている会社ばかりです。それを割安な時に買って長期的に保有する、というスタイルで大成功を収めました。
このあたりの事情については、最近の投資関係の雑誌でもよく取り上げられていますのでご存じの方も多いかもしれません。バフェットさんは、特別なこと(経営者にインタビュー、裏情報を知人から教えてもらう、とか)をして投資をしたのではなく、あくまでも公になっている資料を読んでも十分に分かるものを買っております。
そのバフェットさんの生い立ちから、最近までの関わった企業や案件を通じて、どうしてこの企業に関わって、株を買い、「パートナー」として資産を増やしていったか、ということが書かれてあります。とはいっても、パートナーに下駄を預けるだけではなく、自分でも「永久保有銘柄」に決めた会社については、経営にも多少関わっているようです。
正直に言いますと、最強の投資家の投資手法が書かれている、といった性質のものではありません(そういった目的ならば、他書がよいでしょう)。どちらかといえば、バフェットという人が、これまでどんな時期にどんな決断をしてきたか、どんな姿勢で投資に臨んできたか、ということが描かれている評伝です。
これから長期に投資をしようという姿勢で投資をする際には、知っていて損はないと思います。目先の相場が気にならない方が、精神衛生上もいいですしね。働いていたりしたら、気が散って仕方がないでしょうし。
また、株主とはなんぞや、総会でグダグダ言ってくる連中だ、と思っている方なら、いかに株主と良好な関係を築き、事業を発展させていくか、という点で面白いかもしれませんね。特に、コカ・コーラ社が、自分の事業に投資機会がない場合は、積極的に自社株買いをするなどして、株主利益の向上に取り組んできたことも考慮してください。こんな投資家に見込まれるような会社を目指せば、きっと世界的な優良企業になるでしょうから・・・。
牧野 洋著
日本経済新聞社 (2005.5)
通常2-3日以内に発送します。
bk1
amazon
楽天
PR